記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
アイレストホームの家づくり ▶
社長コラムseason①
断熱等級4の上位等級として3つの等級が新設され、業界が大騒ぎになっているお話しですが、なぜ今になって規制を急激に進め始めたのでしょうか??
まずその大きな理由として、国が掲げた目標「2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を達成するためには、
産業界だけでなく民間需要での規制強化が必須となり、そのターゲットとなったのが住宅だったわけです。
今までのらりくらりと改革を先延ばしにしていた国交省ですが、国の大号令とともにある人物が登場することで話が急展開を見せます。
舞台は令和3年2月24日、内閣府が主催した「第5回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」(有識者会議)でのこと。
出席していた河野太郎規制改革担当相(当時)が、得意とするバズーカ発言を放ちました。
「わが国において、住宅の省エネ性能に対する規制が他の先進国と比べて大きな遅れをとっている。
今後、その対策を最大限のスピーを持って国交省が執り行えないのなら、今後は環境省と経産省にやってもらう。
その位のゲームチェンジをしないと駄目なのではないか!」とゲキを飛ばしたのです。
これを聞いた国交省は、仲間外れにされてはたまらないと大慌てで動き出します。
河野大臣の発言をきっかけに、各省含む建築業界での新展開が引き起こされ、省エネ性能を重視した世界レベルの家づくりに向けて大きく方向転換していきます。
では、23年ぶりに追加が決まった断熱等性能等級の上位等級について詳しく説明しましょう。
まず、断熱等級において「断熱性」を表す数値の指標はUA値です。
UA値とは、住宅の内部から壁、床、窓(開口部)、天井・屋根などから、どのくらいの熱が室内から外に出ていくのかを計算した数値で、各等級の基準値として設定されています。
UA値は地域ごとに指標が異なっており、広島はだいたい5地域・6地域に分類され日本の標準値あたりに配分されています。
新しく追加された等級5
今年の4月から追加された等級5のUA値は0.60です。
この数値はみなさんも聞き覚えのある「ZEH=ゼロ・エネルギーハウス」の基準値で、2030年までに適合義務化を目指している指標です。
今後は「ZEH」基準が当たり前の世の中に進んでいくことになります。
2025年の義務化が決定した等級4のUA値は0.87です。でもこれはあくまでも最低ラインです。
義務化前だからと言って、現時点の基準をもとに建ててしまうと、資産価値があっという間に下がってしまうことになりかねません。
将来を先取りする気持ちで計画されることをおすすめします。
さらに国交省は、等級5を超える等級6、等級7の新設も決定しており、今年の10月から施行されます。2022年10月に施工されました。
世界と比べても恥ずかしくない最上位レベルの導入です! UA値で見ると、等級6はUA値0.46、等級7は0.26となります。
この等級6・等級7は、もともとHEAT20という民間団体が定めていた断熱性能基準を参考にしており、HEAT20でのG2とG3がそれぞれ等級6と等級7に相当します。
HEAT20の基準を国が正式に断熱等級として導入決定した形となりました。
これでようやくわが国も世界基準に近づいたわけです。
家の断熱性能は、「省エネ・省コスト化」だけでなく「健康・快適な室内温熱環境の実現」にもつながります。
基準が見直されたことはとてもいいことです。
次回は、PART3「これからの家づくり、断熱性能はどこまで?」
各等級の省エネ性を実際の数値を用いてお話します!
お楽しみに!
記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
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