記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
アイレストホームの家づくり ▶ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆様、こんにちは。アイレストホーム株式会社の代表取締役社長 旦 壮之助です。
この度、社長コラムページを執筆することとなりました。
皆様の家づくりにきっと役立つ、そんなお話を複数回に分けてしていきます!
是非お楽しみ下さい。では早速今回のお話へ参りましょう。
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社長コラムseason①
今年の4月、国が定める【住宅の省エネ性能を示す基準】の等級が、23年ぶりに追加されたことを知っていますか?
実はこれ、建築業界にとって激震が走るほどの大事件なのです。
住宅の性能に関わる重要な指標が変われば、家づくりも大きく変わります。
そこで「社長コラム」今回のテーマは「断熱等級の追加で何がどう変わる?」。
マイホームづくりに大きく影響する新しい基準について有益な情報をお伝えしましょう。
自家用車を購入する際、重要な検討材料の一つに燃費が挙げられますが、
昨今、マイホーム購入時にも「燃費」で選ぶという方が増えてきています。
空調や給湯、照明など、生活をしていくために必要なエネルギーをできる限り抑える「省エネ住宅」への関心が高まっているのです。
上記のグラフは、家庭での用途別消費エネルギーを表したものですが、冷房・暖房が約30%を占めているのが分かります。
省エネのことを考えると、ここを抑えることが手っ取り早い方法です。
では、どうすればいいでしょう。
そうです、温めたり冷やした部屋の空気(熱)を外に逃がさないこと。
また外気の熱を遮断することが一番です。
つまり、家の断熱性能をアップさせることで省エネに繋がり、燃費の良い家となります。
魔法瓶のようなイメージを持つと分かりやすいかもしれません。
さて、この断熱性能について、比較検討するためのモノサシとなるのが国が定める断熱等級です。
これまでは4段階に分けられていました。そして、今年に入り上位等級が3つ加わり、全部で7段階に分けられることとなります。
まず等級1は、江戸時代に建てられた家のような断熱性ゼロの住宅です。
映画やドラマの中でしか見ることはできませんが、想像するに、あまり快適な住居とは言えないようです。
四季のある日本では、夏に涼しく住めることが第一優先で、冬はかまどで火を焚くことで暖をとっていました。
等級2は、約40年前の昭和55年の基準で、壁の厚さが今の新築住宅の4分の1程と言われています。
特に冬が寒く、暖かい居室と冷たい風呂場の温度差がヒートショックの原因となるケースも少なくありません。
等級3は平成4年に追加されました。
平成に建てられた家でも、暖房を切った真冬には室内温度が5℃近くまで低下してしまい、夏の暑さも厳しいです。
そして、平成11年に制定された等級4では、ようやく壁の断熱性だけでなく、開口部(窓や玄関ドア)などの断熱を必要とする基準が追加されました。しかしながら等級4でも、アルミサッシ+ペアガラスにすることで達成できるレベルです。
下のグラフは、各国の住宅の省エネ基準をまとめたものですが、青く囲われた【6地域(東京)】に注目してください。
気候区分【6地域(東京)】における各国の基準値を比べると、日本の基準がいかに遅れをとっているかが分かります。
米国カリフォルニア州と比べるとその差は倍以上です。
つい最近までわが国では、この等級4が断熱性能の最高基準と謡われていたのですから、ちょっと驚いてしまいます。
断熱はアルミサッシ+ペアガラスで十分と思われがちですが、これではまだまだ最低限のレベルです。
等級4は2025年での義務化がようやく決定し、法律が要求する最低限の水準となります。
義務化されることで、これから建てられる住宅の断熱性が最低限確保されることにはなりましたが、世界の基準から言うと、
日本は「断熱後進国」と言えそうです。
でもようやく国交省が重い腰をあげて動き出し、これら断熱等級がアップデートされることとなりました。
と言うのも、2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すわが国にとって、住宅の省エネルギー性能を
飛躍的に向上させる必要性がでてきたからです。そのため、現行の断熱等級4の上位等級として、今年5月には「断熱等級5」を新設。
さらに「断熱等級6」「断熱等級7」を今年10月に追加し、表示基準および評価方法基準の全面的な改正が行われることになったのです。
一度に3等級の新設ですから、住宅業界に激震が走りました。
各ハウスメーカーや工務店では、未来を見据えた住宅づくりに向けて「断熱性」を携えた戦略の立て直しが求められることに
なったからです。省エネ住宅の断熱基準に新展開が起こる今、家づくりをお考えの方はこの動きに注目が必要です。
次回は、「仲間外れを恐れた国交省、慌てて制度改革に突っ走る!?」
等級追加の背景とその対策について書きます。お楽しみに!
執筆者:旦 壮之助
記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
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