記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
アイレストホームの家づくり ▶2022年に新たな指標・基準が追加された「断熱等級」。
断熱等級が注目されているのはなぜなのか、
マイホームを考える際、どのくらいの断熱基準を満たしておけばいいのか解説します!
自家用車を購入する際、重要な検討材料の一つに燃費が挙げられますが、
昨今、マイホーム購入時にも「燃費」という基準で選ぶという方が増えてきています。
空調や給湯、照明など、生活をしていくために必要なエネルギーをできる限り抑える「省エネ住宅」への関心が高まっているのです。
上記のグラフは、家庭での用途別消費エネルギーを表したものですが、冷房・暖房が約30%を占めているのが分かります。
省エネのことを考えると、ここを抑えることが手っ取り早い方法です。
では、どうすればいいでしょう。
そうです、温めたり冷やした部屋の空気(熱)を外に逃がさないこと。
また外気の熱を遮断することが一番です。
つまり、家の断熱性能をアップさせることで省エネに繋がり、燃費の良い家となります。
魔法瓶のようなイメージを持つと分かりやすいかもしれません。
断熱等級をあげるメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
メリット①光熱費の削減が期待できる
上述したように、断熱性が高いと温めたり冷やしたりした空気が外に出ていかないため、空調を使う頻度を減らすことができたり、空調が常時フルパワーで運転されたりすることがなくなります。
メリット②快適な環境で過ごせる
断熱性が高いと、外からの空気も防いでくれるため、部屋の温度を一定に保ちやすく、快適だと感じる温度で過ごすことができます。
メリット③ヒートショックのリスクを減らせる
ヒートショックとは、温度の急激な変化によって血圧の急上昇による心筋梗塞や脳卒中が起こることをいいます。
住宅内であっても部屋などによって気温差が激しいとヒートショック現象が起こることがありますが、断熱性が高ければどの部屋もある程度一定の温度になるため、ヒートショックが起こりにくいといえます。
メリット④補助金制度や税制優遇を受けられる
国は省エネ性能に優れた住宅を推進しているため、断熱性の高い住宅を建てた場合、さまざまな優遇が受けられる可能性があります。
下のグラフは、各国の住宅の省エネ基準をまとめたものですが、青く囲われた【6地域(東京)】に注目してください。
2021年までは、日本の断熱性能の最高基準が等級4だったことを考えると、
各国の基準値を比べて日本の基準がいかに遅れをとっているかが分かります。
米国カリフォルニア州と比べるとその差は倍以上です。
等級4の断熱はアルミサッシ+ペアガラス程度のもので、
一見、それで十分と思われがちですが、これではまだまだ最低限のレベルです。
等級4は2025年での義務化がようやく決定し、法律が要求する最低限の水準となります。
義務化されることで、これから建てられる住宅の断熱性が最低限確保されることにはなりましたが、世界の基準から言うと、
日本は「断熱後進国」と言えそうです。
これまで、断熱等級のをあげるメリットについて解説してきましたが、
実際、マイホームを考える際、どの程度の断熱基準を満たしていればいいのでしょうか。
例として、全館空調を導入した場合の等級5から等級7の違いをより具体的に実感してもらいたいと思います。
写真は各等級の室内の様子をサーモグラフィカメラにより写したものです。
世界の動きとして、WHO(世界保健機関)は、「住まいと健康に関するガイドライン」で、寒さによる健康影響から居住者を守るため、床面温度18℃以上を最低水準温度として勧告しています。
となると、等級4では床温度が16℃しかないため、世界の水準と合わせた場合には等級5以上が必須ということです。
断熱性能は住宅の体感温度に大きく影響します。健康・快適な室内環境を実現するには、
これからの家づくりは最低でも等級5、できれば等級6以上を目指すことも視野に入れられてはいかがでしょうか。
記事監修代表取締役社長
旦壮之助
広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。
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